「昭和ドキドキ」(戦争の記憶を後世に伝えるためのサイト)で紹介 051
                        Part1に戻る    Part2に戻る

三崎亜紀 『となり町戦争』
集英社文庫、
2006

 

 

 

   

 

戻る

このサイトに感動的な戦争関連の小説などを紹介するため、私は戦争と書いてある本には自然に目が注がれるようになっている。『となり町戦争』は近所の図書館で存在を知り、読んでみる気になったが、人気があるのかいつも貸し出し中であった。題名のユニークさからさぞや面白い新しい戦争本を想像した。文庫版が出たので買い求める。

仮想の小説である。未来、現代といったいつの話かは不明、状況描写、登場人物の人物像もあいまい、これといった筋書きもない。じっと我慢して読んでいく、なにしろ賞をもらったと書いてあるのでそのうち面白さが伝わってくることを期待していると、何もなく終わり。著者と出版社による時間泥棒ではないのか。いやなら我慢することはない、放棄すればよいのでは。 でも、ここれでは面白くはない。

カバーに書いてある「ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。…」

「戦争がわからない僕には、戦争の傷みもまたわかるわけはない」

「僕たちの世代というものは、戦争という実体験もないまま、…教わるままに戦争=絶対悪として、思考停止に陥りがちだ。」

「財政健全化のための戦争の必要性、事業としての戦争」

「兵士の募集、教育、武器の管理、戦闘の組み立て、戦死者の補償問題などは、すべて戦争専門のコンサルティング会社に外注」など。

なるほど、なるほど、これって現在進行中の話の範囲内のことですよね。

でももうこれ以上の追求は無用だ。なにかむなしく、損をしたって感じです。


(2007.05.07) (2017.03.26)  森本正昭 記