平成26年4月発行 表紙画 『波切にて』/郡 楠昭


勢陽本覚寺・釋  恵照   『エッセー 二題』   3頁    戻る

@せいきのテナー ルチアノ・ババロッティ
これは何だ、何様の声だ、神の声か、いや仏の声か雄叫びか、いやいや人さまの声に間違いは無い。
21世紀のエンタテイナー、ババロッティ ルチアノ・2007年没。

世紀のテノール21世紀のエンタテイナー、イタリアLuciano Pavarotti、
魅惑の高音、西洋音楽の深く長い伝統の歴史から生み出されたテノール、こんな声が人間の声かと訝る、
いぶからしめる、そんなピアニシモ。
パバロッティ!イタリアーノ。『パヴァロッティ/スーパーヒッツ!』(「DEC」)なるCDを聞く。
これは凄い。

そのなか「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)のラスト演奏こそ凄い。
もちろん合唱団と管弦楽団と指揮者あってのオペラ形式の共同作品ではある。
しかししかしババロッティが超えている、それら全てを。自らをも超えている!これは何だ、
神か仏か、ババロッティ。

世紀のテイナー、ルチアノババロッティ、その声に我は鷲ずかまれる、その高音に我は鷲つかまれんばかりに、
砕け散らんばかりになる。しかし私自身はまだ生きている!!
これは何だろう?歌とは何だろう、音楽とは、歌曲とは、声とは、人間の声とは。これが芸術、芸術とは、
そも何物なのか、かみわざ、神業、信仰か?信仰…………。

異常なる興奮、unusual excitement, これか‐‐‐にしても、これが定義か、芸術の定義になりうるか。

では、宗教は?宗教の定義は?正常なる静寂、しかしながらその二つに通じる言葉あり、頂に立つ。
頂上を極めた居り方、在り方。一歩、一歩、汗して息詰まらせ、背負い荷物にくるしみもだえて極めた絶頂感。
そして来る『解放』。それか?
ここから始まるものがある。芸術・宗教・セクス。

 
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私評